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 (患者を生きる:705)
明日へ
空色の世界:3
見えないことばかり考えない


[本文]
黄斑変性症と診断された関東在住の橋本由美さん(37)=仮名=は06年6月、東京都内の大学病院で3回目の光線力学的療法(PDT)を受けたが、医師から「この治療は何度も繰り返せない」と告げられた。

「代わりの治療はあるのでしょうか」

質問すると、「新しい薬の治療の研究が進んでいます。ただ、うちで始まるのは、年末ごろになるでしょう」と医師は答えた。

9月、左目がまた出血した。「もう何カ月も待てない」。必死になって情報を集めた。

翌月、ネットで知り合った人から教えられた東邦大学医療センター大橋病院(目黒区)の眼科の北善幸(きたよしゆき)医師を訪ねた。

新しい薬というのは、大腸がんの抗がん剤として開発されたアバスチン(商品名)だった。新生血管の発生を防ぐ効果があること、まだ研究段階で感染症などのリスクもあるが、これまでの米国での実績では、現状維持より一歩進んで視力が改善する可能性も報告されていること、などを北さんは説明した。

「このままだとさらに悪くなることも考えなければならない。試す価値は大きいです」

07年5月までに3回、左目にアバスチンの注射を受けた。出血は治まり、新生血管の活動も止まった。

それでも左目は矯正しても視力が0・1以下になった。最も視力をつかさどる黄斑中央の中心窩(か)を覆う大きさに新生血管が広がったのが最大の理由だった。「現状ではできることがありません」。北さんの言葉は厳しかったが、納得するしかなかった。

今は、2カ月ごとに診察を受けている。新たに出血などがあれば、またアバスチンの治療を受けることになる。

ゆがんで見たいところが見えず、ところどころに暗点があり、さらに脱色したような景色。でも、いつしかその見え方にも慣れた。

昨年、市の点字図書館で開かれた点字の講習を受けてみた。飲食店でパートの仕事も始めた。忙しいと少し気も紛れる。

将来への不安や、日々の生活の不便さ。そんな思いは、ブログで仲間たちに聞いてもらう。2人の息子はまだ小学生。自分がしっかりしなくては。右目の視力は0・9あり、視野は左右とも問題ない。色あせた世界も、気持ちしだいで空色になるはず。

「見えないことばかり考えない。これからだって、何とかなるよ」

(朴琴順)
朝日新聞7月10日付け紙面より


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