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(患者を生きる:704)
明日へ
空色の世界:2
周囲に話せず、ブログに不安つづる


[本文]
関東在住の主婦橋本由美さん(37)=仮名=は、左目の視野の中心部分がゆがむようになり、やがて黒い穴が開いたように見えなくなった。滲出(しんしゅつ)型の黄斑変性症と診断され、右目にも異常が現れて、東京都内の大学病院で光線力学的療法(PDT)を3回受けた。出血が引くと、見え方が少しよくなることもあったが、一度傷つけられた視細胞が回復することはなかった。

地域の子供会で東京ディズニーランドに出かける予定だった前日、右目に出血したときは、悩んだが、「視野はゆがんでいるけど何とか一人で歩けるし、子どもたちも楽しみにしている」と思って、息子2人と出かけた。

だが、レストランで渡されたメニューが全く読めなかった。「すみません。読んで下さい」と店員に頼んだ。情けなかった。

悩ましいのは、この病気は視野中心に異常が起こるため、「見たいところが見えない」ことだった。話している相手の顔がゆがむ。鏡で自分の顔を見る回数も減った。

焦点が合わず、2重に見えるので、本や新聞の文章を読むのは特に大変だった。それでも、右目は新生血管ができた場所が中心を少し外れていたのが救いで、本を動かすようにすれば、何とか読むことができた。

掃除や洗濯は問題なかった。レシピは見づらかったが、料理もつくれた。車の運転もして、買い物や子どもの習い事の送り迎えもできた。だから、息子たちの学校関係の知人にも、詳しいことは言わなかった。

一方で、身近にいる家族にも目の不自由さがなかなかわかってもらえないことが、つらかった。夫は状態を深刻にとらえてくれないように感じた。都内まで片道2時間以上かけて通い、治療を終えて帰ってきても、「疲れた」と言えず、夕飯の支度を急いだ。

好きな本を読もうと無理をして、頭が痛くなっても、夫に「本もインターネットもやめろ」と言われるかもしれないと思うと嫌で、病気のことはしだいに話さなくなった。

不安な気持ちは、ブログで吐き出した。

「1人では外に出るのが怖くなって、長男によりそうように過ごしている。ごめんね、まだ9歳なのに」

同じ病気の人からコメントが入った。「たいへんですね」「私も不安です」 パソコンの上ではあったが、励まし合うことで、少しだけ前向きな気持ちになれた。


朝日新聞7月9日付け紙面より



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